常連になる ::: さがみや

さがみや

青山大毅・中田茉夏・吉田あんな

商店街の表情

03.gifさがみやの店内:横浜市南区真金町1-1 *クリックすると拡大表示されます。「気をつけていってらっしゃい。」「今日は早かったわね。」まるで、自宅の玄関先で交わされる挨拶がここにもある。

これまで商店街に対して馴染みなく育ってきた私たちは、一般的な社会ニュースで受けるどちらかというとネガティブな印象を持っていた。少し寂しいような気持ちで横浜橋通商店街へと向かった。

買い物袋を提げた自転車を何度も避けながら、駅から商店街へ辿りつく。その時私たちの目に飛び込んできたのは、高いアーケードに包まれたお惣菜、青果のお店、人々の頭だった。賑やかな音楽に女性の呼び込む声、この商店街には活気が溢れていたのだ。休日のお昼、そこにはベビーカーを押しながら夕飯の買い出しをする主婦や、手を繋ぐカップル、向かいの呉服店に中国語で話しかける中華料理店員、リンゴを片手に自転車を引く外国人、商店街の終わりまで行けば、ワンステップバスから降りてくるおばあさんたちの姿が見えた。沢山の人がこの商店街を利用していることが分かる。一通り歩いてみると、惣菜屋の多さに驚く。店先のテーブルに商品を並べる売り方が多く、色とりどりの果物や出来たての煮物の香りが商店街を歩く人々の足を止めていた。

しかし、ただ元気がある場所なのではない。夜の八時を過ぎると人通りも疎らになり、すぐにシャッターが下り始める。また、雨の日には濡れた段ボール箱が何重にも積んである。人々の流れが静まるように、商店街も眠りにつくのだ。また日が昇り朝になれば、ふかふかの布団を運ぶ台車とすれ違ったりもする。七月には地域の小学生が作った七夕飾りがアーケードをより一層華やかになる。このように、この商店街は人々の暮らしと共にコロコロと表情を変え、地域に寄り添っているのである。何度も通う中で、横浜橋通商店街は〝生活の場〟であることを改めて認識した。

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