自分たちでつくる
伊藤圭・原田ふくみ・山口祐加
引っ越しを考えること、ゼミを考えること
ドコモハウスを引っ越すので、次の場所を探すことが今学期のグルワのテーマであった。わたしたちは「世の中を知ってこそ学問ができるのではないか」という考えのもと、キャンパスを出て、まちの中で学びたいと思った。そして、考えるよりも先に足を動かした。
湘南台からのアクセスを考え、小田急線沿いに目星をつけ、フィールドワークに出かけた。魅力的だと感じたのは、経堂、豪徳寺、世田谷代田近辺。この辺りは町並みも昔ながらの暖かい雰囲気が残っていて、行き交う人もなんだか楽しそうだった。ここならきっと楽しくて創造的なゼミ活動ができるのではないかと考えた。
どんなまちでゼミをしたいのか、と同時に考えるべきことは、どんな「場」でゼミがしたいのかということである。「場」という言葉がもつ意味は広義的だ。空間という意味での「場」については、多くの案が出た。緑がたくさんあった方がいい。プレゼンをするために大きなスクリーンが欲しい。音楽が欲しい。野外か屋内か曖昧な、テラスのような空間がいい。ゆったり座ることのできる椅子が欲しい。キッチンがほしい。
このように理想の「場」を考えていると枚挙にいとまがない。思い描いた理想の環境を探しても、無論全ての条件を満たす「場」は見つからなかった。ここでわたしたちは一つの問いを立てた。
「理想の環境に引っ越したら、何が変わるのか」
引っ越すことで変化するのは、わたしたちを取り巻く環境。しかし、求めているのはその環境の変化ではなかった。引っ越すことの本質的な意味は、変化した環境によって、わたしたちの活動が変わることだ。つまり、わたしたち自身が変化することなのだ。
● つづきをPDF版で読む [引っ越しの準備](5.8MB)
● フィールドワーク展Ⅹ:じゅじゅじゅ
慶應義塾大学 加藤文俊研究室(2013年度秋学期)
こんなのもあります。|ちいさなトラック(2013)|工夫と修繕(2013)|常連になる(2012)|芬蘭風俗採集(2012)|まちのおみやげ(2011)|法政・明治・立教 ぐるり調べ(2011)|早稲田・慶應・東大 ぐるり調べ(2010)|おもしろさで変える(2010)|交わらない場所(2009)|